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自然の驚異を感じる世界遺産!ヨーロッパ最長を誇るアレッチ氷河

ふぅ

富山県には唯一、日本でも氷河が見れる場所があると言いますが、それも遠目にやっと見えるほどのもの。他ではまず見ることができません。世界には自然の驚異を感じさせる壮大な氷河が数多く存在します。
今日は、その中でも世界遺産に指定されているヨーロッパ最長の氷河、アレッチ氷河を紹介します。

氷河という言葉すらも、あまり聞きなれないかもしれません。氷河とは、高山に積もり続けた万年雪がそのまま分厚い氷の塊となり、その重さでゆっくりと流れ出したものです。巨大な氷の塊は侵食と堆積を繰り返し、独特な地形を生み出していきます。南極とグリーンランドを覆う氷も氷河の一つですが、これは大陸氷河と呼ばれ、アレッチ氷河のように山から流れ出る氷河を山岳氷河と呼びます。
アレッチ氷河があるのはスイス南部のヴァレー州。アルプス山脈最大の氷河であり、西ユーラシア大陸においても最大のものです。4000メートルを越える9つもの高山が氷河を囲み、年間およそ200メートルほどゆっくりと進んでいます。

氷河沿いにはトレッキングコースがあり、冬は完全に雪で覆われるために通れなくなりますが、夏になると開放されます。このトレッキングコースこそ、アレッチ氷河を見下ろす素晴らしい絶景ポイントが集まる見所です。スイスの大自然を目下に、美味しい空気をたくさん吸って歩ける素晴らしいトレッキングコース!なのですが…筆者が訪れたのは7月。トレッキングコースへ入るまでに標高が上がれば上がるほど、その気温はどんどんと下がり…コース入り口までのケーブルカーがあるBettmeralpという街に着いた頃には、なんと気温はたったの5度!夏と言っても、万年雪を称える山々が連なっているわけですから、スイスの高山は侮れません。

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Bettmeralpからケーブルカーに乗り、さらに山を登っていきます。標高2000メートルを越え、持っていたペットボトルも気圧でべこっとへこみました。アルプス山脈に来たんだ!という実感が沸く景色に取り囲まれます。
本来なら、傾斜が少ない比較的簡単なトレッキングコースです。筆者もハイキング気分だったのですが、この日のトレッキングはかなり冒険的なものになりました。というのも、7月に入ったばかりのトレッキングコースはまだ雪だらけ。所々に立つトレッキングコースを示す印が雪から飛び出ているのが見えるものの、どこがコースなのかさっぱりわかりませんでした。もしコースがこんなことになっていたら、装備がなければトレッキングはしないことをオススメします。斜面になっているコースのせいで、雪の上を滑っては転んでの繰り返し。道が見えてきた頃には全身ずぶ濡れになっていました。それでも小さな丘を越えるごとに見える新しい景色に疲れも忘れます。途中にはスイスならではのエーデルワイスが咲いているのが見えたり、コバルトブルーの湖が現れたりします。筆者はそのままRiederalpという街までコースを歩き、そこからケーブルカーで山を降りました。

アレッチ氷河の絶景は、ケーブルカーを登ってすぐのトレッキングコース開始地点から十分に楽しめます。ぱっと見は本当に川のようですが、非常にゆっくりと前進している氷河の動きは見て取れません。よく見て見ると氷河の中には小さく尖った氷がいくつも突き出し、その隙間から真っ青な水の色が見える部分もあります。万年雪を称える山々を背景にカーブを描く氷河の景色は本当に素晴らしく、どこでも見れるものではありません。

ちなみにこのヴァレー地方では、いたるところで首にカウベルと呼ばれる大きな鈴をつけた牛達を見かけます。Bettmeralpの街でも牛達のベルが美しい音色を奏でていました。これもスイスらしい一面です。
世界自然遺産に値する絶景、機会があれば是非見に行ってみてくださいね。

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