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ヨーロッパを旅するバックパッカー必見!シェンゲン協定への対策法

ふぅ

バックパッカーなどでゆっくり時間をかけてヨーロッパを旅したい人にとって、最も大きな砦となるのがシェンゲン協定です。シェンゲン協定というのは、その加盟国間はパスポートのチェックなしで自由に移動ができる協定のこと。EU連合のほとんどの国が加盟している、もしくは将来的に加盟する予定になっています。これがどうして旅人にとって問題となるのでしょうか。今日はその対策法と共にシェンゲン協定について紹介します。

シェンゲン協定が旅人に大きな影響をもたらすのは、ヨーロッパの滞在期間。以前はそれぞれの国に滞在期間があり、日本のパスポートを持っていればほとんどの国にそれぞれ3ヶ月滞在できました。それが、シェンゲン協定が結ばれて以降、加盟国全体で3ヶ月という区切りになってしまったのです。1つの国だけでも見て周るのにはかなりの時間を要するのに、ヨーロッパほぼ全土に3ヶ月なんてとても足りません。3ヶ月と言っていますが、正確には180日間のうち90日の滞在が可能。ということは、90日後シェンゲン加盟国外に出国してまた戻ってきても、90日以上出国していなければ戻ってこれないということです。
筆者がヨーロッパを訪れた時、シェンゲン協定だけでなく、出国してすぐにも戻ってこれないという事実を知らず、知った時はパニックになりました。1つの国に3ヶ月以上滞在しない限りは旅が続けられるという間違った認識をしていたために、この事実が旅の計画に大きな支障となってしまったのです。

1日でも長く滞在してしまうと、不法滞在となり、厳しい罰則が課せられることがあります。もし1日でも不法滞在してしまうとどうなるのかをインターネットで調べていると、イミグレーションで引っかかって飛行機を逃してしまった!1日ごとに罰金を払わなければいけなかった!ブラックリストに載せられて先5年間はヨーロッパに戻ってこれなくなってしまった!などなど、絶対に遭いたくない事例が色々と載せられていました。どこまでが本当かは定かではありませんが、どちらにしろ不法滞在と認められてしまうと良いことはありません。

シェンゲン協定を合法的にかいくぐる方法として、いくつかの方法があります。1つは、オーストリアからヨーロッパに入出国すること。オーストリアは、シェンゲン加盟国の中で唯一6ヶ月の滞在が認められている国です。オーストリアから入国し、シェンゲン加盟国内を周り、オーストリアから出国します。シェンゲン加盟国内では国境を越えてもパスポートをチェックされることはないので、出国の際にはオーストリアに6ヶ月いたということになり、不法滞在とはなりません。

もう一点は、スイスへの入国スタンプを得ること。これはイタリアから既に入国してしまっていた筆者が取った方法です。筆者は、シェンゲン加盟国内にいる間に、エジプトとロンドンへ1回ずつ出国して戻ってきていました。そのため、ヨーロッパへの入国スタンプが3つあったのです。最初の1つはイタリアのスタンプ。後の2つはスイスのスタンプでした。なぜスイスかというと、中立国スイスは、シェンゲン加盟国滞在期間とは別の90日の滞在が許されているのです。要するに、フランスやイタリアに90日滞在した後、スイスで90日の滞在を許されているということ。とはいえ、スイスを含めどの国にどれだけ滞在していたかを証明するのが難しいところです。万が一のために筆者が用意したのは、スイスとフランスそれぞれ在住の友達に頼んで作ってもらったサイン入りの滞在証明書。「○○が****年**月**日から****年**月**日までここに滞在していたことを証明します」という一文とサイン、連絡先を書いてもらったものを用意しました。フランスからの証明書も用意することで、シェンゲン加盟国内にもいたことが証明されるからです。ところが、結局その証明書を見せることはありませんでした。なぜでしょうか。

筆者はヨーロッパから出るときも、スイスの空港を利用しました。出国の際に、スタンプが多かった筆者のパスポートは念入りにチェックされましたが、結局聞かれた質問は「最後に入国したのはいつですか?」ということです。最後のスタンプからいえば、滞在期間は1ヶ月弱程度でした。最後の入国スタンプと出国スタンプが同じ国の場合、シェンゲン協定よりもそれ以前に各国で定められていた滞在期間が優先されるようだという噂もありますが、公的にはそんなことはありません。これは運もあります。大量にEU圏内への入国スタンプと出国スタンプがパスポートにある人は珍しくありません。しかも、日本の入管のようにパスポートの最初のページから丁寧に並べて押すわけではないので、スタンプを探すのも一苦労。そんなパスポートを持つ全ての人のスタンプを一つずつ照らし合わせて日数を計算していたら一日の仕事は終わりませんよね。入管にも審査が厳しい人とそうでない人がいるので、どこまで深く尋ねられるかはそれぞれということです。

筆者の場合は、180日以内だと4ヶ月以上の滞在となっていましたが、間に出国していたことと最後の入国・出国の国がスイスで同じだったことで不法滞在にはされずにすみました。それでも、やはりリスクがあったことには間違いありません。確実に不法滞在を問われない方法は最初に紹介したオーストリアからの入出国です。ただし、この場合は途中シェンゲン加盟国外に出る場合にトラブルになる可能性があるので、気をつけてくださいね。
見所は尽きないヨーロッパ。シェンゲン協定をよく知り、合法的にヨーロッパの旅を楽しみましょう!

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