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ローマ時代を感じに、タラゴナへ

akubi

バルセロナから南西へ約90km。

地中海沿いの町、タラゴナ。

紀元前3世紀にローマ人によって築かれたこの町は、紀元前1世紀には100万人を超える人口でイベリア半島最大の都市として栄え、当時は「タラコ」と呼ばれていた。

町の中にはローマ時代の遺跡が残っており、町全体が世界遺産に登録されている。

ヨーロッパは、歴史を感じられる。

な~んて、ろくに歴史もわからないのに言っちゃってる自分を脱するがごとく、ローマ時代を感じにタラゴナへ向かいました。

まずは、海沿いを散歩します。

夏ならきっと人で溢れかえっているであろうビーチには、ひとっこ一人も見当たらず、歩いているのは私たちだけ。静かに散歩ができます。昼の太陽の陽射しが、地中海を綺麗に照らします。

旧市街を訪れる前に、地元の食材店のおじさんオススメのレストランで腹ごしらえをします。

海沿いの町だけあって、魚介類が最高に美味しいです!

Cal Marti
住所 Carrer Sant Pere 12, Tarragona
電話 +34 977 212 384

地元のおじさんがオススメしてくれただけあって、パエリア、イカ、あさり、エビなど、とても絶品で、ここでこんなに美味しいものを食べれるとは思っていなかったので驚きでした。

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美味しいものを食べて心もお腹も満たされたら、旧市街へ。

旧市街には、昔タラコを囲っていた紀元前3世紀の城壁を見ることができます。

イタリア国外にあるローマ時代の城壁の中でも最も古いものだそうです。

バルセロナの旧市街にも紀元4世紀の城壁が残っていますが、それよりももっと古い歴史があるなんて、すごい!!!そしてローマ時代、すごい!!!

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旧市街の城壁を横に、のんびり歩きながら空を見上げるとブーゲンビリアのピンクが青空に映え、静かな時間の流れを心地よく感じさせてくれます。

この城壁に沿った道は、考古学の散歩道と呼ばれています。

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考古学の散歩道を歩いていると大聖堂が見えてきます。

この大聖堂はローマ時代のジュピター神殿の跡地に、12世紀にロマネスク様式として建設が始まり、ゴシック様式、そしてバロック様式、またイスラムの影響などを受け、色々な建築様式を見ることができる建築物です。

町の大聖堂、教会は中に入って見学するのがオススメです。中に入れば、それは一つの美術館のようだからです。

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旧市街の建物は古く、趣があるので歩いていても飽きません。

気が向くまま、興味のある道へと進んでいきます。

すると、さっきとは違う城壁の方へ出たり、そこに住み着いている猫に遭遇したり。

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たどり着いた広場にドッシリと残された遺跡を背景に、ウェディングドレスとスーツ姿で撮影をするカップルや、若い学生カップルが楽しそうに写真撮影していました。

2000年近く前の遺跡と現代の私たちが、同じフレームで共存する不思議な感覚を、ここでは感じられます。

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さらに旧市街を歩いて行くと、さらに遺跡が!!!

建物に描かれた現代風の絵も、このタラゴナの旧市街に違和感なく突如現れ、私たちを楽しませてくれます。中世の人たちが描かれているのか、三階部分にカタルーニャ州の州旗が!!!

カタルーニャ州の人の、愛州心は本当に強いです!

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歴史博物館となっているのは、紀元前1世紀に建てられたローマ時代の長官公邸で、中世には王の居城として使われた建物。

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そしてここに来たからには必ず行きたい!

ローマ円形競技場!!!

ローマ帝国時代の2世紀に建てたれたこの円形競技場では、見世物として剣闘士同士が戦ったり、あるいは剣闘士と猛獣との戦いが繰り広げられていました。

2000年にラッセル・クロウ主演の映画「グラディエーター」というのがありましたが、あの映像を思い浮かべながら、この競技場を見渡します。地中海を背に人々は、剣闘士が血を流し戦っている姿に興奮し、歓喜をあげていたなんて。あの映画の中の世界が、実際にこの場所で約2000年前に行われていたことを想像しながら、なんて野蛮なことを…とも思いつつ!!!

また259年には、この場所でタラゴナのキリスト教司祭と助祭が処刑された場所でもあります。

その跡地には現在12世紀建てられた奇跡の聖母マリア教会が廃墟となって残っています。

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ローマの植民地として700年以上も君臨していたタラコ。

このローマ時代、日本では弥生時代。

はるか昔に生きていた人たちも、今の私たちと同じように今を一生懸命生きていたんだなと思うと、いつの時代もあまり人は変わっていないのかもしれないとも思ったり…。

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