イギリスの楽しいスーパーマーケット探検 ~お肉編~

ところ変われば食文化も違います。

私はイギリスに住み始めて16年目になりましたが、最初は日本と違う肉事情にびっくりすることもありました。

イギリスで売っているお肉の種類を大まかに分けると牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉の4つ。

まれですが鹿やウサギ、鶉と言った変わった肉類も置いてあります。

やはり現代の生活スタイルに密着している便利で夜遅くまで営業している大型スーパーが人気ですが、個人経営のお肉屋さんもまだあります。

私の住んでいる村の肉屋さんはとってもフレンドリーでいつもお店に行くとお肉についていろいろとお話をしてくださるのでついつい長居をしてしまい30分は立ち話。こうした交流ができるのは個人店ならではですね。この前はローストビーフの秘伝の焼き方を教えていただきました。お肉を知り尽くしている方に教えていただけるなんて得した気分。そんなわけで私はスーパーと個人店を気分によって使い分けています。

スーパーの中のお肉売り場はこうしてすでにパックされたものが棚に置いてあるのが通常です。

大型のお店に行くとスーパーの中にもカウンターがあり、少量購入する時には便利ですね。何しろパックで売っている肉類はかなり大量に入っていることが多いのです。

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羊肉に関してはラム肉(子羊)が多く、マトンは余り見かけません。ラム肉は臭みも少なく、柔らかいので食べやすく人気でおもてなしのときによく使われるお肉でもあります。

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私はラム肉がイギリスに来た当初苦手だったのですが、パーティーにお呼ばれするとよくこのラム肉のお料理に遭遇して、何度も食べる機会に恵まれ、今では普通に食べられるようになりました。

そして日本人的に衝撃だったのが、牛肉や豚肉に関しては薄切り肉が売っていないこと。

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本当に薄切り肉が売っていないなんて信じられず、お肉やさんに希望を抱いて駆け込んだ思い出が懐かしい。
お店に入って牛肉の固まり肉を指差して、このお肉を紙のようにスライサーで薄くしてほしい。と伝えるとお肉屋さんはウインクしながら、任せておけというポーズ。

様子を見守るとまず包丁で固まり肉を切り出しました。私は、「ちがうよ~~~スライサーを使ってほしい」と言うと、黙ってみてなさいというゼスチャー。見守るしかないので黙って見ていたのですが、包丁である程度の薄く切り(と言っても7ミリぐらいの厚さはありました。)その後持ち出したのが肉たたき。そして思い切りたたき始めたのには開いた口がふさがらずもう涙目になってしまいました。

確かにたたいた肉はところどころ透けていて薄くはなっていましたがこれは薄切とは呼べない。と心の中でつぶやきながらも、いまさら買いませんとも言えず、しぶしぶ買って家に戻ってすき焼きにタイム。食べてみると繊維はつぶされて硬い。もうホームシックならぬ、薄切り肉シックにかかってしまったのでした。

今は時間と共に和食を作りやすい食材が増えましたが、残念ながら薄切り肉はまだ登場していません。薄切りと書かれたお肉もありますが、日本人の私たちの思う薄切りとは少々違う認識のようです。いつか本当の薄切肉が店頭に並ぶ日を待ち焦がれている私です。

逆に鶏肉は日本と同じようなものが買えるので我が家の食卓の登場率はかなり高いです。

ここでもまた食文化の違いで面白いのは、イギリスではもも肉のほうが低価格で胸肉のほうが高級品なのです。日本とは逆ですよね。

胸肉は脂肪分が少なくヘルシーというイメージでイギリスのみなさんは好んで胸肉を食べますが最近はセレブリティーシェフと呼ばれる方々がうまみのあるジューシーなもも肉を使ったレシピを紹介し始め人気も徐々に上昇中です。

もも肉に関しては皮なしで骨を取り外しているものは売っていますが、皮付きのもも肉が食べたいときは骨が一緒にくっついているので包丁の先で削ぐようにして取り外さなければなりません。美味しいものを食べるための一手間です。

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うれしいことに鶏手羽元や鶏手羽先も買えます。

居酒屋風のメニューを食べたいときは必ず買っておつまみを作っている私です。

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イギリス料理の王道の人気ローストの一つ、丸ごとチキンは一年中店頭に並んでいます。

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最近はまっている肉料理はスロークック豚バラローストです。スロークックとはゆっくり調理すると言う意味です。塩、粗挽き黒胡椒を表面に振り、120度のオーブンで時間をかけて約4時間焼きます。

イギリスでは皮が付いていることが多いので、最後の15分は高温にして皮をかりっとさせました。ナイフを入れた瞬間にほろっとお肉が崩れるほど柔らかくて家族にも、お客様にも好評です。

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豚ばら肉に塩、粗挽き黒胡椒を振り耐熱トレイに置き、野菜を周りに並べます。今日はバターナットスクウォッシュというひょうたん型のカボチャに似た野菜、刻んだシャロット、レモングラスやニンジン、セロリ、皮付きのニンニクを入れてオリーブオイル、しょうゆ、赤ワインを回しかけて焼きました。

何もせず入れっぱなしで完成したラクチンローストですが、見た目が豪華でおもてなしにぴったり。

薄切肉は買えないけれど、逆にこちらスタイルの固まり肉を使ったローストはいつでも食べられます。今、いる場所で最大限に美味しいものを作って食べるのが今の私の一番の楽しみです。

エリオットゆかり
イギリス在住料理研究家。
イギリス人の夫、18歳の息子、15歳の娘、9歳のわんこと4人家族と1匹でイギリスサリー州の村に住んでいます。
日本では雑誌への料理レシピの提供、WEB連載、テレビ、ラジオ、企業とのコラボレーションレシピ開発、料理デモンストレーションイベント、トークショーなどの活動、イギリスでは自宅で日本人、外国人の皆様にサロン形式のお料理教室をしています。
イギリスでは和食を、日本ではイギリス料理を中心に国境を超えて美味しいものをご紹介していくのが楽しい今日この頃です。

【著書】
『エリオットゆかりのシンプルなごちそう』(宝島社)
『電気もガスも使わない しあわせレシピ』(主婦の友社)
『ホントはおいしいイギリス料理』(主婦の友社)

【ブログ】
●「Yukari’s Happy Kitchen」
http://ameblo.jp/yukari-elliott/

【連載】
●「エリオットゆかりのおもてなし教室」
http://www.recipe-blog.jp/rensai/blog/iccyan/

【その他】
●英国大使館 A Taste of Britain FBページ記事提供
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