これぞ理想郷!ドイツの田舎町で日本人2人が切り盛りする“週末だけのカフェ”「Café Zum Löwen」の驚くべき誕生秘話

ドイツ在住ライターwasabiによる「女性目線のベルリン」をお届けしてきた本連載も今回が最終回。ここまで、ベルリンで出会うおもしろい人々やプロダクトを紹介してきましたが、ベルリンの魅力は中心部だけではありません。実は今、郊外にもどんどんクリエイティブでおもしろいプロジェクトが波及していっているんです。

というわけで最終回はすこし奇をてらって、ベルリンから電車で2時間ほど離れた田舎町Gerswaldeにあるオルタナティブなカフェ「Café Zum Löwen」を紹介したいと思います。

このお店を切り盛りするのは、2人の日本人女性。ベルリン在住のあゆみさんとさゆりさんです。2人は友達同士で、あゆみさんはケータリングのお仕事を、さゆりさんはヘアメイクアーティストとして多方面で活躍されています。週末限定のカフェというコンセプトも面白いのですが、このカフェはベルリンから電車で2時間、そこから自転車で40分(または車で15分)と、決してアクセスが良いとは言えない場所にあります。

左があゆみさん、右がさゆりさん
左があゆみさん、右がさゆりさん

一体なぜこの場所で、そしてどういう経緯でカフェを開くことになったのか?今回、あゆみさんにお話を聞いてきました。

駅ごと土地を買い上げ!夏限定の“週末カフェ” ——オープンのきっかけはひょんなことから

筆者:「Café Zum Löwen」は自然に囲まれたとっても素敵なカフェですね!一番気になるのはどうしてこのGerswaldeという場所にカフェを開くことになったのかです。気になりすぎて、駅から頑張って40分自転車を走らせました!(笑)

あゆみさん:本当にここまで来てくれてありがとうございます。大変だったでしょう?

筆者:それが、意外とあっさり辿り着きました。途中来るまでの風景が本当にのどかで美しくて・・・それを楽しみながら来たらあっという間でした!

カフェの敷地
カフェの敷地

あゆみさん:そう、本当に景色がきれいですよね。私もここに初めて来た時、この景色の美しさに心奪われました。Gerswaldeはベルリンから近いこともあって、お金に余裕のあるベルリナーたちは保養地としてこの場所を買って週末や夏を楽しむのだそうです。日本でいう軽井沢みたいなものでしょうか。

筆者:そうだったんですね。この場所は自分で選んだのですか?

あゆみさん:いえ、違います。この土地は私のものではなくて、友達のフィルムメーカー3人の所有物なんです。彼らはこのカフェだけでなく3つの土地とGerswaldeの駅を買収してDIYで家を作ったり、映画やアートのためのスペースを作っているんですよ。

映像撮りのためにDIYで改装された部屋
映像撮りのためにDIYで改装された部屋

筆者:え!すごい!駅って、私が今日やってきたあの駅ですか?

あゆみさん:そうです。ドイツでは駅を買うことはよくあるみたいですよ(笑)彼らは駅もDIYで改修したり、そこでイベントを行ったりしているんです。

筆者:駅って買えるんですね・・・それで、どういうきっかけであゆみさんたちはカフェをやることに?

あゆみさん:きっかけはケータリングの仕事です。彼らがあの駅で自主映画のフィルムフェスティバルを行ったときに、私がケータリングを頼まれて料理を提供したんですね。そしたら、その料理を彼らがとても気に入ってくれて。

カフェでは日本食も提供している
カフェでは日本食も提供している

そしたら、「僕たちはここから12km離れたところでカフェもやっていたんだけど、やめてしまっていて、今新しいシェフを探していたんだ。もし良かったらカフェをやらない?」とお声がけいただいたんです。それがきっかけで視察に来てみたら本当に素敵な場所で気に入ってしまって!お店の屋根にライオン(Löwen)の銅像があることから、「Café Zum Löwen」という名前がついているんですが、私偶然獅子座なんです。そのときにピン!と来て「やりたい!」と二つ返事でした。

筆者:ミラクルすぎる巡り合わせですね!すごく楽しそう!

夏期週末限定、その理由は?

筆者:カフェの営業が夏限定で週末だけというのは理由があるんですか?

あゆみさん:はい、この場所は保養地なので、冬になると人がまったく来なくなってしまうんです。だから夏の間だけ営業します。私もさゆりさんも平日はベルリン、週末はGerswaldeに滞在という二拠点生活を送っているんです。フィルムメーカーの3人も元々ベルリンに住んでいましたが、オルタナティブな場所を求めてこちらに拠点を移しています。

センスが光るDIYのカフェ店内
センスが光るDIYのカフェ店内

筆者:それは楽しそう〜!夏のドイツの良いとこ取りって感じですね。では、お二人は週末ベルリンから毎回電車で通っているんですか?ここ、田舎だし終電とか早くないですか?!

あゆみさん:あ、金曜の夜から日曜までは、彼らの家に泊っているんですよ。お店の上が住居になっていて、すべて彼らによるDIY改修です。すごく素敵ですよ!

可能性あふれる理想郷のようなスペース!家もすべてDIYで改装

ここでさゆりさんに敷地内を案内してもらうことに。

さゆりさん:ここが私たちの泊っている部屋です。この部屋はさっき見てもらったライオンの銅像が立っている屋根の下にあるんです。それにかけて、サーカスをイメージしたお部屋になっています。天井のペイントもDIYでやったそうで、とってもかわいいですよね。

あゆみさんとさゆりさんの滞在している部屋
あゆみさんとさゆりさんの滞在している部屋

筆者:すご〜〜い!こんなお部屋に住みたいです!

さゆりさん:ほかにも、なにかのイベントに使えるアートスペースや作品を作れるアトリエのようなスペースなど、ここには色んな可能性があります。彼らはNOと言わないので、なにかアイデアがあったらきっと何でも実現できますよ!

改装中のスペース
改装中のスペース
計算されていない雑多さがドイツらしい
計算されていない雑多さがドイツらしい
鮮やかでポップなタイルもすべて自分たちで!
鮮やかでポップなタイルもすべて自分たちで!

筆者:なんでも自分たちでやってしまう精神が素晴らしい!ここに来たら、カフェだけではなくてたくさんの魅力を楽しめますね!

地域との繋がりを大切にし、一人一人を丁寧にもてなす

筆者:ところであゆみさん、カフェに来るお客さんはローカルの方が多いですか?

カフェに行く途中、自転車の旅を共にしたお客さん
カフェに行く途中、自転車の旅を共にしたお客さん

あゆみさん:お客さんはローカルの人も多いですが、週末を楽しみにやって来るアート系のベルリナーの人も多いです。ローカルの人から野菜を買ったり、いろいろ助けてもらいながらやっているので本当に人には恵まれたと思っています。この前なんか卵がなくて困っていたら、カフェに来たお客さんが農場を経営している方だったので、卵を売ってほしいとお願いしたんです。そしたら、毎週末農場の娘さんが育てた鳥のたまごを配達してくれるようになりました。

筆者:素敵〜!この風景と言い、ほっこりしますね〜。最後に、このカフェが大切にしていることってなんでしょう?

あゆみさん:一人一人を大切にすることです。私たちのカフェで使っている食器はすべて旅好きの私たちがアンティーク市などで買い付けたものなんですが、その日のその人に合った食器を選んで料理をお出しするようにしています。ここまでせっかく来てくれたのだから、この時間を目一杯楽しんでもらえるように!

おいしいキャロットケーキとすてきな陶器で出されたお茶
おいしいキャロットケーキとすてきな陶器で出されたお茶
サイクリングの後に食べる、お手製のカレーは最高!
サイクリングの後に食べる、お手製のカレーは最高!

いかがでしたか?
ベルリンからすこし離れた場所にこんなおもしろい場所があるんです!もちろん日帰りで行けるので、この夏ベルリンに遊びに来る予定がある方は自転車をレンタルしてカフェに足を運んでみてはいかがでしょうか?とっても気持ちいいですよ!

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【Café Zum Löwen】
住所:Dorfmitte 7, 17268 Gerswalde, Germany
最寄駅:RE Wilmersdorf (Angerm)から自転車で40分または車で15分
営業時間:(土)10:00〜20:00 (日)10:00〜18:00
オープン期間:2016年4月30日〜9月25日
ウェブサイト:http://www.ayumisaito.com/zumlowen/

wasabi
2014年獨協大学を卒業後フリーランスのライター・翻訳家としてドイツ・ベルリンを拠点に活動中。ブログ「WSBI」ではより詳しいワーホリ関連情報とフリーランス関連情報を発信中!ドイツで見つけた日本文化を紹介するTadaimaJapanでの連載、「ドイツで日本発見!」もお見逃しなく!

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