CAFE

モンキー=癒し系

リーザ

ひまわり、バラ、チューリップ…
色々な花や緑の生い茂るセントラルパーク。
ニューヨークの夏。

夏休みを満喫している家族、
恋愛を楽しんでいるカップル、
パーティーやフェスに忙しい若者たち、
インターンシップに励む学生、

冬とはまた違った人間模様が見えてくる夏は、
ニューヨークの厳しい冬が嘘だったかのようにウキウキさせてくれる季節。

そんな夏ももう終盤、秋に突入してさらに違う表情が見え隠れしだしたニューヨーク。
コロコロと表情を変える街にひっそりと佇むカフェ、
「The Monkey Cup」を今回ご紹介させていただきます。

街の喧騒から離れたマンハッタンの北部、
アポロシアターでも知られるハーレムからさらに北に行った地区ハミルトンハイツにこぢんまりと構えたお店。
最近はダンサーやシンガー、ミュージシャンなどの若い世代のアーティストたちに人気のある地区であるがゆえに、小さな店構えであるにも関わらず抜群におしゃれな内装。

天井に張り巡らされたフェイクの蔦、
日本発でもある水出しコーヒー用のおしゃれなウォータードリッパー、
お店の名前にちなんで店内の所々に配置されている小さなモンキーたちにも心惹かれる。

たまたま居合わせたお客さん達と会話をしているとアーティストがやはり非常に多いことに気づかされ、しかもほとんどがローカルの常連さん。
地元の人々にこよなく愛されているこのお店のコーヒーのクオリティーは、マンハッタンの端っこにある小さなカフェのものとは思えないほど。

小さいビジネスでは提携してもらうことが困難でもある有名ブランド「Irving Farm」の豆を使用し、エスプレッソドリンクからポアオーバー、サイフォン、コールドブルー、ターキッシュコーヒーなどの様々なコーヒーのテクニックをメニューに取り入れているのも店主のこだわり。この連載はコーヒーがメインなので今回は割愛させてもらいますが、コーヒーが苦手な方のために紅茶のセレクションも充実しており、コンサルタントを雇ってメニューを開発する徹底ぶり。

そんなこだわりのカフェを営む今回の主役は、ベネズエラ出身のご夫婦Laura(ローラ)さんとAlfredo(アルフレッド)さん。

ふんわりとした癒し系の雰囲気のおふたりでありながらも、話を聞いているとふつふつと底知れぬ信念と情熱を感じさせられる。
ニューヨークに移住して6年。
何と言ってもすごいのが、このお店はご主人の大学院在学中に立ち上げたそう。
しかもご主人はオペラ歌手、奥さんは歯医者さんというからさらに目を丸くさせられる。
コーヒーの世界とは繋がりはなかったが、もともとコーヒーが大好きでマニアだったお二人。
6年前にこの地区に引っ越してきたときにあまりにも周りにカフェなく、だったら自分達でやろうとカフェの立ち上げを決断。
それで本当に達成しちゃう。なんという行動力。

「The Monkey Cup」と言う名前の由来のストーリーも可愛い。
お母さんが小さい頃にお猿さんのポスターを家に飾っていたと言う安直な理由で小さい頃からモンキー好きだったご主人。
2人の最初のデートはまさかのお猿の動物園。
かわいいワンピースを着て髪の毛も綺麗にセットして出かけた奥さんは突然動物園に連れて行かれ、しかもまさかのふれあい型動物園で大量の猿に囲まれて度肝を抜かれた、とケラケラ笑って話してくれた。

次のステップとして2店舗目の開店もハミルトンハイツ内で決まっている。
駆け出しのアーティスト達にも優しい値段設定、家でゆっくりコーヒーを飲んでいるような感覚になれるようなカフェでありながら、本格的なコーヒーも楽しめる。
お散歩中のワンちゃんがお水休憩できるようにお店の前に水飲み場があったり。

なんだかあたたかい気持ちで心がいっぱいになるカフェである。
きっとコーヒーだけでなく、この素敵な夫婦の人格のおかげなんだなぁ。
と、実は筆者自身もこの地区に住むアーティストの1人。
ここの常連になること、決定です。

The Monkey Cup
1730 Amsterdam Ave, New York, NY 10031
https://ja-jp.facebook.com/monkeycupny/

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