LIFE

人生を悔いなく生きるために今日からできること

町田陽子

 この連載のスタートから、あっという間に1年が経ってしまいました。私にとって去年は、家の工事、相棒ダヴィッドの手術、そして引越し、という大きな出来事があり、全速力で走りっぱなしの一年でした。今年は、いったん落ち着いて(笑)、しっかり地に足をつけて暮らしたいというのが目下の目標です。

 今回は、年のはじめに「人生を悔いなく生きるために、毎日できること」について改めて考えてみたことをお話しします。最近、フランス人の友達とよく話すテーマでもあります。

具体的に書いてみます。

起床後。バタバタとあわてて朝食をとる前に。
ベッドの中で、ほんの少しの時間、今日、自分がすべきことを頭の中で整理してみる。大事なのは、あれもこれも無理を承知でなんでも入れ込むのではなく、あくまでも現実的にできる範囲で、欲ばらずに。
そして、もうひとつの大事なポイント。つい、私なども仕事のことばかりになりがちですが、必ず、最低ひとつは、自分自身のためにしたいことを入れるという点(読みかけの本を読み終えようとか、ベランダの花を植え替えようとか、どんなことでも)。
仕事がいくらうまくいっても、自分自身の望むこと(たとえささやかな望みでも)が置いてきぼりにされる人生なんて、虚しいばかり。
人生は毎日の積み重ね。たとえささやかでも、それを毎日忘れずに実行することが、じつはとっても大切だと思うのです。

就寝前。眠る直前に。
ベッドの中で、ほんの少しの時間、今日できたことを頭の中で思い出してみる。
大事なのは「できなかったこと」ではなく、「できたこと」を考えること。起床後とセットなのですが、これもできた、あれもできた。あぁ、今日もいい1日だったと思えたら、充足感の中で眠りにつける。満足感の中で毎日1日を終えられるなら、人生最後の日も同じように自分の人生に満足できるはず!

 これだけです。簡単です。道具もいりません。
皆さんも、私と一緒に、今日から始めてみませんか?

 そしてときどき、「もうしたくないこと」をリストにしてみるのも、自分の道がはっきり見えなくなったとき、「したいこと」が明確でないときにはとても有効です。「したいこと」がよくわからなくても、「したくないこと」は意外と明確だったりするものです。
 やりたいことや、やりたくないことがわかれば、あとは前進するのみ。人生、そんな簡単じゃないよという人もいるでしょうが、人生は短い。物事をややこしく考えず、限りなくシンプルに考えることが、結局のところ、悔いなく生きるいちばんの近道なのだと思います。

Recette

簡単おうちごはん ◉ 今月のレシピ
「レバーのムース」
いろんな作り方がありますが、今回は、いちばん簡単にできる方法をご紹介します。

材料(4人分)
鶏レバー 250g
バター 80g
生クリーム 100g
ブランデー(料理用)大さじ1
鶏の固形ブイヨン 1つ
水 1ℓ
塩、コショウ 少々

①水を沸騰させ、ブイヨンを溶かす。
②①の中に鶏レバーを入れる。再沸騰させ、3分ほどでレバーが浮いてくるので、裏返してまんべんなく火を通す。
③②を湯から取り出し、ざるでレバーの水分をきり、キッチンペーパーでふきとる。
④③をミキサーに入れ、生クリーム、バターを加えてムース状になるまで5分ほど攪拌する。
⑤④の中にブランデーと塩、コショウを入れ、さらに軽く攪拌する。
⑥テリーヌ型やミニココットに入れ、冷蔵庫で2時間ほど冷やす。
食べ切らずに、保存したい場合は、テリーヌ型に入れたあと、溶かしバター(マーガリンでもOK)100g程度を少し冷まして、ゆっくり上に流し込む。厚さ5ミリくらい。この部分は食べません。

安くて簡単なのに、フォアグラのテリーヌに負けない美味しさ!
パン・ド・カンパーニュやクルミ入りのパン、イチヂク入りのパンなどにもよく合います。

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