上下関係ってどんなもの?欧米の社内人間関係に学びたいこと
会社で働くにあたって、誰もが必ず尊重しなければならないのが上下関係。とくに、敬語の使い方やマナーなど、社会人として出来ているべき常識というのは厳しく問われます。とりわけ、日本では会社での役職だけでなく、年齢が上か下か、その会社での勤務年数が長いか短いかなども人間関係に影響してきますよね。
今日は、欧米での社内人間関係事情について紹介しましょう。
社内において上下関係がはっきりとしてくることには日本語の特徴も関係しています。それは敬語。敬語といっても、丁寧語、尊敬語、謙譲語とあり、日本人ですらそれを完璧に使いこなすことは難しいものです。その点、英語を始めとする欧米の言語はとてもシンプル。英語を例に取ってみると、丁寧語といえばWould you~やCould you~、May I~など、高校までに習うレベルのもののみです。ただし、この丁寧語を使うことが上司に対する態度であるべきとは限りません。
同じ年齢、でも勤務年数が1年長いというだけで、上下関係が出来てしまうのが日本。そもそも、海外では役職がついていない平社員は言葉遣いにおいて平等です。上司と部下の関係においても、日本よりずっとフランクな上下関係であることが多いです。上司に対する態度よりも、仕事が出来るかどうかが一番大事。そのため、仕事がちゃんと出来ている部下なら、上司に友達のように話しているなんていうことはそれほど珍しくありません。
上司の誘いだから断れない…なんて言葉も、日本ではよく聞きますよね。会社でうまくやっていくためには、プライベートを犠牲にしてもやむをえない。この考え方は日本独特です。プライベートで会う上司と部下は、もちろん海外にもいますが、それは社外で友人としての関係を楽しんでいるだけのこと。上司に誘われたからといって、NOと言いづらいということはありません。
このように聞くと、嫌なものは嫌だとはっきり言うと思われがちですが、そういうわけでもありません。適当な言い訳をつけてNOということももちろんあります。相手を傷つけるとわかっていてもNOという文化は欧米にもありません。でも、それは状況やその人の性格にもよるというところですね。
また、上下関係に関わらず、欧米の会社は意見を言えてナンボの世界。日本では、上司が言うことが正しい。むしろ、上司が言うなら正しくなくても従う。そんな風土が残っている会社も少なくありませんよね。欧米では、上司にもしっかりと意見を伝えられる人こそ、出世していくんです。言われたことしかできない人は、使えない社員のレッテルを貼られておしまいです。
社外のプライベートな付き合いにも、意外なところに文化の違いがありました。
「金曜日、会社の○○君のお宅におよばれしたから、夜ご飯いらないよ」
このセリフに、違和感を覚える人はあまりいないのではないかと思います。でも、欧米ではこれってとても失礼なことなんだそうです。妻がいる人を誘う場合は、夫婦セットで招待するのがマナー。仕事は仕事、家庭は家庭と割り切る日本では、プライベートで会社の人に誘われるとそれも仕事のうちのように思ったりしますよね。きっと、こんな小さな文化の違いも、会社での人間関係に影響を及ぼしていくのではないでしょうか。
会社での人間関係は、働きやすさに大きな影響を及ぼします。日本と欧米では国民性も大きく違いますから、日本人にとってどちらが良いかとは言えませんが、欧米スタイルから学べることもあるんじゃないかと思います。日本人としてのマナーを守りつつ、誰もが働きやすいオープンな人間関係にしていくことで、世界に通用する会社がさらに増えていくかもしれませんね。
大学時代、将来の夢がなくても、英語が出来れば将来役に立つ!と言われた1ヶ月後、人生初海外のオーストラリアへ短期留学。自分がいた世界の小ささに気付き、そこから旅を始める。バックパッカーで旅をした総期間は3年。旅を通じて習得した英語を磨き、英語教授法TESOL習得後、英会話教師となる。旅中で出会ったフランス人と結婚し、現在1児の母。