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バルセロナの奇才、乙女心をくすぐるガウディ

akubi

ヨーロッパの建物って素敵!!! って思う人、多いと思います。

私もそのひとりです。なんだか日本の建物と違って、芸術的に見えたり、壁の色が可愛かったり、石造りの雰囲気にすごく魅力を感じて、しまいには、私はろくにヨーロッパの歴史も知らないのに、

「ヨーロッパの建物って、なんだかすごく歴史を感じるよね~…」

なんて、ポロっと言ってしまったり(笑)。

でも、本当に歴史を感じるんです。歴史を知らなくても、建物の壁や扉、窓、通りを見ていると勝手に色々なイメージが湧いてきて、人々がどんな生活をしていたのか、想像して感慨深くなる人は、私以外にもたくさんいるのではないでしょうか。

世界には、まだまだ知らない国がたくさんあって、見たこともない素敵な街がたくさんあるのに間違いありません。…が、私はここバルセロナも、世界最強の建物が並んだ街だと断言してしまいます!!

その最強の理由の一つが、モデルニスモ建築。

見た目は、フランスのアールヌーヴォーに似た柔らかい曲線やたくさんの可愛らしい装飾をもつ芸術スタイルで、いかにも女性の好きな装飾が施されています。

このカタルーニャ モデルニスモは、19世紀~20世紀初頭にバルセロナを中心にカタルーニャ地方で、カタルーニャ人のアイデンティを求める芸術運動として、建築以外にもインテリアや装飾品、文学や演劇にまで展開された芸術様式だそうです。

このカタルーニャ モデルニスモというところがミソなわけです!!

街歩きをしていて右も左も、下も上も芸術を感じられて、目を楽しませてくれる。さらに空までも楽しめるのはバルセロナの魅力のひとつです♪そのモデルニスモ建築の代表的な人物のひとりが、ガウディ!

このガウディの建築物は、まさに乙女心をくすぐるものばかり!

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こちらはガウディが52歳の時に手掛けたカサ バトリョ。

壁に貼られた330枚の陶製の円盤とガラスが、地中海の海面に浮かぶ泡のようにキラキラ太陽の光を反射し、まるで鯨が下から大きな口を開けてるように見えたり。

大きな窓には、動物の骨のような、植物のような装飾があったり、バルコニーは、仮面のような形をしていて、ライトアップされたカサ バトリョは、まるで今から仮面舞踏会にでも行くような雰囲気。

屋根はドラゴンの背中の鱗のようで、おとぎ話に出てきそうななんともメルヘンなお家です。

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こちらはグエル公園の十字架の丘。

ここからサグラダファミリア教会、バルセロナを見渡せます。

この公園、実は田園都市として60戸の集合住宅を作るはずだったのが、当時のブルジョワ階級の関心を引きつけることができず断念。それでも公園内には古代ギリシャ建築をもとに作られた市場や、長いベンチのある広場は古代ギリシャの劇場をモデルにデザインされていたり、公園内にあるさまざまな高架橋は形がユニークで、どこをとっても驚きばかりの公園です。

ガウディは、さまざまな場所から集めた陶器の破片を使って装飾をするトレンカディスをいろんな場所に用いていますが、その色使いといったら天才的に乙女心をくすぐるのです。さらに、ほとんどのタイル、ガラスがリサイクルということなのでポイント高いですね。

(そのトレンカディス、実は愛弟子のジュジョールに任されることが多く、彼もまたガウディと同じく乙女心をくすぐる作品を残しています。)

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このトレンカディスなんかは、いろいろな種類の布を張り合わせたパッチワークのようです。

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カサ ミラは、ラ ペドレラと呼ばれています。

石切場とか、宇宙船のステーションなどと言われるカサ ミラは、カサ バトリョとは正反対のシックなお洒落な建物です。外観は地中海の波のようで、バルコニーは海藻が張り付いたような鉄の装飾で、建設当時の人々の目にはおかしく映ったようです。

依頼主のミラー夫妻の奥様のほうは、本当はカサ バトリョのようなメルヘンな素敵なお家が建てたくてガウディに依頼をしたのに、このお家のおかしな姿が大嫌いで仕方なかったようです。

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カサ ミラのエントランスからパティオはまた素晴らしい空間になっています。このカサ ミラは、ガウディの最後の民間作品。

ガウディの建築物に住むことができるなら、みなさんはどこに住みたいですか?

ユネスコの世界遺産に登録されているガウディの作品は

・グエル公園
・グエル邸
・カサ ミラ
・カサ バトリョ
・カサ ヴィセンス
・サグラダ ファミリアの生誕のファザードと地下聖堂
・コロニア グエル教会地下聖堂

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1882年から今も建設工事の続くサグラダ ファミリア教会。

31歳のガウディが主任建築家として43年間の年月を捧げた教会は、石に書かれた聖書のようです。

この教会を作りながら、バルセロナの街に素敵な建物を残したガウディ。彼の頭の中は、どんな構造だったのでしょう。どの作品を見ても、彼の発想に驚くばかりです。

そんな彼も、口下手で不器用だったことから恋愛ベタで生涯独身であったり、お洒落をしてお出かけしたり、劇場に通ったり、大好きなワインと美味しい料理を楽しんだり、セレブな生活をしていたそうです。そしてかなりのヘビースモーカーだったそうです。

そんなエピソードを聞くと、彼も普通の人と同じと安心します。

晩年はサグラダファミリアの建設だけに集中し、アルコールもタバコも辞め敬虔なキリスト教信者となり、イエスが神に祈りながら40日間断食をしたことに習い、自らも42歳の時に40日間の過酷な断食に入ったそうです。

お洒落だった彼も見なりを気にしないほど質素な生活になり、財産全てをサグラダファミリアの建設に費やしたそうです。また、建設資金を寄付してもらうように一軒一軒を周りお願いしたそうです。

74歳の時、住み込みしていたサグラダファミリアからミサへ行く途中に路面電車にひかれてしまいます。ガウディは、浮浪者のような身なりだったため彼と気づかれず、4台のタクシーに乗車拒否され、病院へ。その三日後に、発見された時には手遅れだったという寂しい最後だったのです。

バルセロナの素敵な街並みは、ガウディや、ドミネク イ モンタネール、プッチ イ カダファルクや名の知られていないモデルニスモの建築家とブルジョワ階級の人たちの大きな家を建ててどれだけの富を自分たちが持っているか、世間に見せびらかす見栄によってなっているんですね。

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