モダンブリティッシュを味わう イギリスのパブ事情
パブと聞くとお酒を飲むところ、少し入りにくいと思われる方も少なくないと思います。昔は大人の男性の社交場として子供は出入りできず、お酒のみを楽しむ場所でした。
近年では、家族で気軽に行けるガストロパブと呼ばれるファミリーレストランのようなお料理を楽しめるパブが急増しています。
まずは飲み物ですがイギリスの美味しい地ビールはビターと呼ばれアルコールが強いものも中にはありますが平均して低めで3.8%前後で飲みやすいものが多いのも特徴です。飲むというより食べ物のように味わうという表現がいいかもしれません。芳醇で個性的な味わいです。そして日本のビールと同じような炭酸の強いものは「ラガー」と呼ばれこちらも若者を中心に人気があります。そのほかワイン、スピリッツなどももちろんありますが、アルコールなしのジュースやコーヒーや紅茶、ホットチョコレートなど温かい飲み物も提供してくれる店もあります。
まずはカウンターで飲みたいものをオーダーしてその場で支払う明朗会計も特徴です。但しグループでいく場合はちょっぴり複雑。イギリスには「ラウンド」(round)という習慣があります。1人が全員の飲み物を注文し、その代金をすべて支払います。1杯目が飲み終わると別の人が全員分を注文し、支払いをします。たとえば5人で行くと5杯分飲むことになりますね。イギリスの1パイントは0.56826125リットル。単純に0.5リットルと計算したら2.5リットルを飲むことになります。だからパブへ行くと陽気な酔っ払いを目にすることが多いのかもしれません。
お料理はモダンブリティッシュと呼ばれる新しいイギリス料理が生まれ、スタイリッシュで盛り付けも味付けも洗練され進化しています。いままでのイギリス料理をより繊細に磨きをかけたお料理です。ほかの国の味も加えたりしながら自国のお料理と海外のお料理のよさをオープンマインドで取り入れたグローバルな料理とも言えるでしょう。おなじみのローストビーフも盛り付けをちょっと変えたりして工夫しています。
いまだにロンドンには子供入店禁止のお店もあるので、お店の方にお聞きすることをお勧めします。カントリーサイドのパブではお子さん歓迎のお店が多いように思います。
お店によって外観も中のインテリアも個性的。ぜひイギリスにいらしたら体験して頂きたいイギリス文化の一つです。
イギリス在住料理研究家。
イギリス人の夫、18歳の息子、15歳の娘、9歳のわんこと4人家族と1匹でイギリスサリー州の村に住んでいます。
日本では雑誌への料理レシピの提供、WEB連載、テレビ、ラジオ、企業とのコラボレーションレシピ開発、料理デモンストレーションイベント、トークショーなどの活動、イギリスでは自宅で日本人、外国人の皆様にサロン形式のお料理教室をしています。
イギリスでは和食を、日本ではイギリス料理を中心に国境を超えて美味しいものをご紹介していくのが楽しい今日この頃です。
【著書】
『エリオットゆかりのシンプルなごちそう』(宝島社)
『電気もガスも使わない しあわせレシピ』(主婦の友社)
『ホントはおいしいイギリス料理』(主婦の友社)
【ブログ】
●「Yukari’s Happy Kitchen」
http://ameblo.jp/yukari-elliott/
【連載】
●「エリオットゆかりのおもてなし教室」
http://www.recipe-blog.jp/rensai/blog/iccyan/
【その他】
●英国大使館 A Taste of Britain FBページ記事提供
https://www.facebook.com/oishii.igirisu/
●フェイスブック
https://www.facebook.com/yukari.elliott
●フェイスブック エリオットゆかりファンページ
https://www.facebook.com/groups/elliottyukarismilefanclub/